
人口わずが2300人足らずの村に3人も立候補するとは、なかなか威勢の良いことではないだろうか。
現職の小林氏は「健康長寿伸ばす」
元職の中田氏は「買い物弱者支援」
新人の鵜野氏は「福祉事業見直し」
それぞれ重点施策を述べているが、なんとも弱い。
若者を増やすための施策がどの候補からも感じられない。
インパクトが弱すぎる。
高齢者しかいないから、そりゃそうだ。
秋田は日本の縮図だと言う人がいたが、上小阿仁村は秋田の縮図と言ってもいいのではないだろうか。
2007年から毎年約70人ずつ人口減が進んでいる。
単純計算だが、あと30年後には消滅する可能性が高い。
筆者は、上小阿仁村について秋田県の中で最も消滅する可能性が高いとみている。
平成30年の市町村別人口増減率では、上小阿仁村はワースト2である。
ワースト1は藤里町。
しかし、藤里町には、白神山地という世界遺産のコンテンツがある。
いくら人口が減っても、このコンテンツがある限り、国も県も見捨てないであろうと思うのだ。
しかし、上小阿仁村には、これといったコンテンツがない。
風景も特に素晴らしいものがあるというわけではない。
この村には、観光振興ができるようなコンテンツが存在しない。
2012年から毎年開催されている「かみこあにプロジェクト」
県内外のアーティストたちが、上小阿仁村を舞台に様々なアートを表現している。
コンテンツがないからこそ、何かを生む取り組みなのだろう。
このイベント、話題にはなるが今ひとつ集客力は無い。
どちらかというと、アーティストたちが盛り上がって終わるような内輪のイベントではないだろうか。
全国的に上小阿仁村で有名な話題といえば、医者いじめだろう。
全国的には、閉塞的で陰湿な村、というイメージが強いかもしれない。
でも、筆者が最も強烈なインパクトを持っているのが、今から約12年前の2007年の出来事である。
当時の村長は、小林宏晨。
秋田県立秋田高等学校卒業。
上智大学を中退し、ヴュルツブルク大学、ジュネーヴ大学、パリ大学法学部博士課程でドイツ語、政治学、法学を学び、ヴュルツブルク大学では、アウグスト・フォン・デア・ハイテ教授に師事し、同大学から法学博士号取得。
専攻はドイツ基本法(憲法)及び国際法であるが、その他、安全保障関係法、比較憲法、EU法の研究も進めている。
帰国後、上智大学法学部助手、上智大学外国語学部教授を経て、日本大学法学部教授に就任した。その他、慶應義塾大学大学院法学研究科などでも教鞭をとった[1]。
当時の小林村長は、核廃棄物の最終処分場に候補として上小阿仁村が手を挙げることを検討した。
小林村長は、やむなく断念。
このときが村の再生する唯一のチャンスだっただろうと思う。
手を挙げるだけで国から20億円もらえたのに・・・。
候補地に選ばれなくても20億がもらえたのだ。
そういうチャンスを当時の知事と村議はつぶした。
このときに財政再建ができていれば、なにか光が見えたかもしれない。